堕神



私の身体に宿りしは炎の獣
本能の赴くままに地を駆けよ
(走り続けよ)

草原を焼き尽くし
息が絶えるまで走り続けよ
(燃え盛る炎 火の粉が舞う)

(踊る踊る炎が踊る)
(堕ちた神の火消えない炎)

また村が一つ消えた
国を幾つ消した
此れで十億もの国と
沢山の時を消した

水の精は声を潜め
はぜる火の音だけが響く

(生贄に飢えた神)
大祭神は殺すだろう
(戻れない過ちを犯した神)
待ち受けるのは死
(哀しみに飢えた獣)
苦しみを満たせ
(炎神の悲しみ)
私の空虚な目から涙が伝う
(私の悲しみ 流れ込む心)

足の裏の痛みは忘れた
消えてゆく私の心
感じることを忘れ
やがては狂気が満たす
(侵食される心を満たす)

(炎神の哀しみ満たされることはない)

(ならば焼いてしまえばいい)

本能の赴くままに吠えよ
(哀しみを怒りを狂気を)
世界の全てを壊せ
(喰らえ燃やせ焼き尽くせ)

私は獣
私は炎火
私は神の器
神の心の赴くままに

血脈の赤
炎火の赤
空は閉ざされ
世界は赤く染まる