伝う歌



春に降り落ちるは桜の花
淡い桃色に染められた
花舞う枝には春の雪
過ぎた冬を眠らせるように

夏に注ぐは明るい日差し
地に芽生える全てを照らし
木下闇には蝶が舞う
栄える時を歓ぶように

秋に踊るは色づく紅葉
赤に黄色に鮮やかな色
夕陽に躍る秋茜
迎える冬を待つかのように

冬に浮かぶは輝く雪の端
地にある全てを白で埋める
風に乗る風花は
まだ来ぬ春を思うかのように



木下闇…このしたやみ